NPO 法人子育てサポートきらら
代表理事 井上明子
小平市で子育て支援を始めてから 20 余年がたちました。
思えばコロナ禍が広がった一年半ほど前は、姿が見えない相手に恐怖を覚え、活動をどうしたらよいのか今までにない不安に駆られました。
緊急事態宣言は解除されましたが、すぐに以前のような生活に戻れるはずもなく、小さなお子さんを抱えたご家庭は安堵しつつも今なお不安な気持ちで過ごされています。
きららではそのご家庭の状況の変化や困りごとをじっくり聴き、気持ちによりそうことから支援がスタートします。コロナ禍で仕事がリモートになり、里帰り出産は遠慮して、しかも親族に産後の手伝いも頼み辛い。さらに子育て広場等の利用に制限がかかり家庭以外に行き場がなくなったことなどで孤独や不安を感じても吐き出す場が無くなっていることがよくわかりました。
産後支援ではもちろん家事援助や沐浴をおこないますが、「話す」ことが一番大切なのだと実感する場面に出会います。話し相手になることで母親が涙することができ、不安の軽減となり、心が安らかになっていく様子が見られるのです。
「何も否定しないで聞いてくれた」
「大人と話せた」
「ネットの情報でなく、目の前で赤ちゃんのお世話をみることで安心できた」
そんな言葉をいただきました。
これはスタッフにとってもこの時期に支援に向かうお守りになりました。
この期間、支援を継続できているのは、まずスタッフ一人ひとりが感染防止対策をしっかりとっていること、そして利用者さんのご協力もありがたいことです。
また、積み重ねてきた活動があったからこそ行政への相談もスムーズにできています。
それからピッコロをはじめとした、地域で活動する団体にも相談させていただきました。この時期は困難を乗り越えていくのには、人のつながりであることを改めて認識し感謝する期間となりました。
そして、コロナ禍においてお休みしていた広場、いよいよ 10 月からは新しく「きらら親子広場」を公民館でスタートしました。広場ではゆったりとおしゃべりをして、親子が笑顔で帰っていく様子にほっとする日常を感じました。
まだ油断はできませんが、これまでに培った感染対策を新しい力にして、これからも丁寧な支援を継続していきたいと思います。
本記事は当団体が定期発行しているピッコロ通信No.165の記事から転載しています♪
その他、通信内の情報は本体サイトから閲覧することが可能です。
ピッコロ通信No.166