日本社会事業大学福祉援助学科
内田 宏明
子どもにとっての「居場所」とは、どんなところでしょうか。当然ですが、ご家庭も、学校も、子どもにとって欠くことのできない居場所です。
今、注目されているのは、家庭や学校以外の、「第三の居場所」を子どもたちが暮らしている街の中で持っているのか、どうかということです。
ここでいう「第三の居場所」の大きな価値は、“子どもが自分で選んで”行くし、居る場所であるということですし、“自分らしく”居ることができる場所です。
かつて、子どもは身近な場所に秘密基地を持っていました。河川敷や雑木林、路地裏や場合によっては空き家など、様々な場所を子どもは発見し、秘密基地を作っていました。
そこは大人には内緒の子どもだけの場所で、子どもだけの時間を過ごし、子ども同士の親密な関係性が育まれ、共に生きる仲間を形成する機会にもなっていました。しかし、近年の都市化及び防犯上の理由等で、近隣に秘密基地を持つことは大変難しい現状になっています。
このような状況の中で、地域の大人たちが協力し合って、街の中に子どもが居場所を作れる環境を作っていくことが大きく期待されています。
街の居場所というのは、特定の制度や建築物(箱もの)を意味するのではありません。
学童クラブや、子ども食堂、プレーパーク、場合によっては学習支援教室など様々な形式をとっています。
どのような形式をとったとしても、子ども自身が主役であり、大人に居させられる場所でなく子ども自身が選んだ場所であり、そこでは何をやるかで評価されるのでなく子どもがいること自体が尊重される必要があります。
そして、そこでは他の場では得られない出会いや、体験があることが大切です。このような場所を作るのは、言葉でいうほど簡単なものではありません。
地域の大人たち、大学生ボランティアの存在を欠かすことはできませんし、家庭や学校のご理解も不可欠です。
そんな街の居場所がいっぱいある清瀬にしていきたいですね。
本記事は当団体が定期発行しているピッコロ通信No.168の記事から転載しています♪
その他、通信内の情報は本体サイトから閲覧することが可能です。
ピッコロ通信No.168